ありすとアリス?マザーグースとナーサリーライム?「Fate/EXTRA」
一番記憶に新しい「アリス」といえば、TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』の6話と7話に登場した「ありす」でしょうか。
幼い少女の姿に、水色のドレス、白タイツ、リボンなど、アリスをモデルにしたキャラクターとしてはとても典型的なビジュアルです。
■ありす『Fate/EXTRA Last Encore』
出典:©TYPE-MOON/Marvelous,Aniplex,Notes,SHAFT TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』公式サイトより
「ありす」とよく似た黒ドレスの「アリス」、キャスターも登場しました(「黒アリス」については後述)。キャスターは、人気スマホゲーム『Fate/Grand Order』で星4サーヴァントとしても登場するので、知っている人は多いはず(初期ビジュアルは『不思議の国のアリス』の本そのものでしたね……)。原作のPSPゲームソフト『Fate/EXTRA』では、「ありすとアリス」の関係が詳しく明かされています。
6話EDさしかえイラストです。背景のかわいいけどちょっと不気味なモチーフ、大変だったけれど楽しかったです。それにしてもありすが可愛すぎて…!#FateEX_LE pic.twitter.com/hi1TTQThKm
— 細居美恵子 (@hosoimieko) 2018年3月3日
出典:©細居美恵子(@hosoimieko)Twitterより
ありすが存在する絵本のような世界(第三階層)も、「うさぎ」「トランプ」「お茶会」などのアリス的モチーフに溢れていました。『魔法少女まどか☆マギカ』で有名になった劇団イヌカレー(泥犬)によるデザインも魅力的でしたね。「ここはワンダーランドよ」とありすも言っていました。
『不思議の国のアリス』には詩や童謡がたくさん登場します。『Fate/EXTRA Last Encore』の6話と7話でも、マザーグースの歌詞がたびたび使われていました。マザーグースとは英語による伝統的な童謡のことで、その数は数百から千以上とも言われています(ちなみにマザーグースは、「ナーサリー・ライム」とも呼ばれています……)。
6話に出てくるトランプに貼られていた文字も、マザーグースの歌詞でした。
「Pussycat,pussycat,where have you been?」(子ネコちゃん、子ネコちゃん、どこへ行ってたの?)
「What are little girls made of?」(女の子は何でできてるの?)
また、7話でありすが「女の子は……お砂糖とスパイスと……素敵なもの」と謎の言葉をつぶやいていましたね。これはトランプに書かれていた「女の子は何でできてるの?」の続きの歌詞になります。「女の子っていうのは、砂糖だとか、スパイスだとか、そんな素敵なものばかりからできているのよ♪」という内容です。
体が怪物化していく絶望的な状況、そして「ありす」の“本当の姿”を思い出してみると、この歌の歌詞がどれだけ残酷で、あの場で口ずさんでいることがどれだけ痛々しい描写であったかがわかります。
「少女の夢や空想の世界が、残酷な現実によって打ち砕かれていく」という物語テーマも、アリスをモデルにした作品では広く使われていますね。どれだけ残酷な世界でも、健気に、そして可愛く生き続けようとする少女の姿というのは、見ていて本当に胸が苦しくなります……。
出典:©TYPE-MOON/Marvelous,Aniplex,Notes,SHAFT 『Fate/EXTRA Last Encore』より
さて、『Fate/EXTRA Last Encore』の考察が長くなりすぎました(笑)。とはいえ、わりと旬な話題でしたし、「アリス」のモチーフがたっぷり詰まったお手本のようなストーリー&キャラクターだったので良しとしましょう……。
次のページからはもう少しサクサクと、「アリス」という名前のキャラクターを紹介していきたいと思います!
[next_heading title=どんどん紹介!「アリス」という名前のキャラクターたち!]