擬人化された動物たちが生きるこの世界は現実の人間社会にそっくりだとは思いませんか?
例えば羊のベルウェザー副市長のふわふわな毛皮に覆われた頭を、きつねのニックがこっそり触ろうとするシーン。
コミカルなシーンに見せかけて、実は黒人の縮れやすい髪質を蔑んできた差別的歴史背景を喚起させているのだとか。至る所に些細な”差別的言動”をわざと潜ませているのです。
このように作中で登場する動物たちも人間社会のメタファーになっています。
抗うことの出来ない種族の特性を含ませながらも、個性溢れる性格でイキイキと描かれたキャラクターたち。愛着とともに親近感を抱きやすいのもポイントです。
「あぁ~こういう人いる!(笑)」と彼らの言動に身近な人を当てはめてクスッと笑ってしまう。
人間社会の闇をテーマに据えながらも、純粋にエンターテイメント作品としても高い完成度を誇っている。これこそがさすがディズニー映画と唸りたくなる所以ですね。
◆ちょっと待った!これで終わらない”深い物語”があるからこその高評価だった
ズートピアおもしろかった〜!
ニックかっこよすぎた?
森川さんの声すきやあ? pic.twitter.com/yhnev5ivtG— リコ@気まぐれに浮上 (@Fu1920) 2017年1月28日
うーん、さすがディズニー映画だなぁ‥。と唸るにはまだ早い!実は本当に評価されているのはこの先、差別問題の根深さを描いているから。
これ以上はネタバレになってしまうので細かな説明は割愛しますが、物語が進んでいくに連れてジュディ自身にもあるきっかけが訪れるんです‥。
誰もが差別する側になり得る、ちょっとした言動が差別に繋がっている。そんな脆さが実にリアルなんですよね。
「ズートピア」を観たスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんも「この作品は、資本主義の果てに、どういう社会が生まれるのかを暗示している。ディズニー映画の中でもずば抜けた傑作」と絶賛。
その深い物語と描写はぜひとも映画のなかで発見してみてくださいね!