銀杏BOYZの思い出~伝説のアルバム2枚を全曲語ってみた~

2017/05/31
銀杏BOYZの思い出~伝説のアルバム2枚を全曲語ってみた~

銀杏BOYZ『DOOR』(後編)

09.夢で逢えたら

突然やってくる神曲。この曲からいっきに雰囲気が変わります。まるでJ-POPのような耳触りの良さで、銀杏アレルギーの人でもわりと聴けちゃう曲です。
アルバム前半の騒がしいクソったれな曲ども(銀杏BOYZにおける褒め言葉)とは打って変わって、この曲以降は美しく幻想的な楽曲が続きます。

10.銀河鉄道の夜

言わずと知れた名曲。童話の世界に入り込んだような幻想的な楽曲です。間奏ではバッハの「主よ人の望みの喜びよ」が引用され、ギター少年だった筆者は一生懸命コピーしていました。
星空の下、学校からの帰り道に「銀河鉄道の夜」を一緒に歌ったあの娘は今何してるかな……と、時々考えます。

11.惑星基地ベオウルフ

銀杏BOYZのクリスマスソング。「クリスマス・イヴまでに あの娘に告白できるかなあ」が口癖になった銀杏ファンはきっと多いはず。でもクリスマス前のドキドキワクワクって、いくつになっても素敵だなと思いますね。

12.夜王子と月の姫

これほどシンプルなメロディーで人を感動させられる曲はなかなかありません。「君が星こそ悲しけれ」に込められたメッセージには、多くの銀杏BOYZファンが涙しました(銀杏ファンは例外なくロマンチストなので)。
「銀河鉄道の夜」「惑星基地ベオウルフ」などと共に、ゴイステ時代から愛されている楽曲です。

13.NO FUTURE NO CRY

「未来はないけど泣いちゃだめさ」という歌詞に、当時は漠然とした現実の厳しさを感じ、社会に出るのが嫌だなという気持ちになったものでした。
未来は本当にないのか、それは誰にもわかりません。我々にできるのは、「NO FUTURE NO CRY」をただ叫び続けることだけです。(めっちゃまじめ)

14.人間

初めて聴いたときはあまりの衝撃で放心状態に陥った記憶があります。10分という曲の長さ、そして弾き語りの曲かと思っていたら途中で狂ったような爆音バンドサウンドに変貌……どれもこれも驚きの連続でした。でも何より圧倒されたのが、峯田さんの口から吐き出される強烈な言葉の数々。それまで体験したことのない音楽で、「これって音楽なの?」とも思いました。まさに初めて機械に触れる古代人のような感覚だったと思います。

ちなみに「人間」「光」「生きたい」を“ロックの光と影”三部作と呼ぶのだそうです。筆者はファーストインパクトが強かった「人間」を推します。

15.なんとなく僕たちは大人になるんだ

最後の曲でクールダウン……と、気を抜いていたらやられる曲です。壮大な曲が続いていたぶん、素朴な目線で語られる日常風景に、思いがけず胸を締め付けられます。でもやっぱり、アコースティックギターと手拍子の緩さが心地いいですね。青春の終わりを感じながら、そっとアルバムを閉じます。『DOOR』終わり。

👉 銀杏BOYZ『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』(前編)

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