2月25日、元ADOR代表のミン・ヒジン氏が緊急記者会見を開きました。新レーベル「OOAK Records」の代表として公の場に姿を現したミン氏は、先日勝訴したプットオプション(株式買取請求権)の約256億ウォン(約28億円)を放棄する代わりに、HYBEへ「進行中のすべての訴訟と紛争の終結」を提案しました。

事態の泥沼化を防ぎ、NewJeansメンバーと関係者を守るための決断だとする、異例の記者会見の全文日本語訳を公開します。
【日本語訳】ミン・ヒジン記者会見全文
こんにちは。ミン・ヒジンです。私が隣の建物に行ってしまったせいで少し歩いてきたので、少しだけ息を整えさせていただきますね。
私が今日何をするか、おそらく皆さん予想して来られたと思いますが、今日これから私がお話ししなければならないことはとても重要な話ですので、少し原稿を読みながらご説明させていただきます。
集中して聞いていただきたく存じますし、このように遠いところまでお越しいただき、本当にありがとうございます。それではこれから始めます。こんにちは。ミン・ヒジンです。
まず、これまでの長い時間、事件の本質を見極め、判決として明確に確認してくださった裁判所に深い尊敬と感謝の意を表します。
仮処分の勝訴と2025年の警察の不起訴、そして2026年の今回の一審判決の勝訴に至るまで本当に長いトンネルでした。裁判所は、経営権簒奪やテンパリングといった刺激的なフレームが虚像であることを明らかにしてくださり、私が提起した倫理に対する問題意識が一企業の代表として当然すべき経営判断であったことを認めてくださいました。
このような今回の訴訟の結果は、私にとって過去2年間の傷を洗い流してくれる慰めのようなものでした。その過程で、意図せず大衆の皆様に与えてしまった疲労感に対して申し訳ないという思いを感じています。今その借りを、K-POPの新しいビジョンで返していきたいと考えています。
今日私がこの場に立った理由は、私が勝訴の対価として得ることになる256億ウォンを別の価値と交換することに決めたとお伝えするためです。256億ウォンは、ほとんどの人にとって一生を捧げても手にすることの難しい巨額です。そして新たなスタートを切ったばかりの私にとっても、あまりにも貴重な資金です。
しかし私にはこの巨額のお金よりもはるかに切実に望む価値があるため、HYBEに意味のある提案をしたくこの記者会見を開くことになりました。
私がこのような決定を下したすべての理由の中で最も切実な理由は、まさにNewJeansのメンバーたちのためです。
私が256億ウォンを手放す代わりに、現在進行中のすべての民事・刑事訴訟を直ちに停止し、すべての紛争を終結することを提案します。この提案には私個人だけでなく、NewJeansのメンバーと外注パートナー企業、そして元ADORの職員たちはもちろん、この争いに巻き込まれて傷ついたファンダムに向けられたすべての告訴と告発の終了まで含まれています。
これらすべての訴訟・紛争が終了してこそ、アーティストたちはもちろん、その家族、ファンダムに至るまで、これ以上の無分別な雑音が発生しなくなるでしょう。
幸せにステージに立つべき5人のメンバーが、誰かはステージの上に、誰かは法廷の上に立たなければならない現実をこれ以上見過ごすことはできません。ステージの上にいるメンバーたちも苦しいでしょうし、それを見守るファンだけでなく、誰もこの状況を幸せに見ることはできないでしょう。
そして、このようにズタズタに引き裂かれた心では、決して良い文化を作ることはできません。何度もお話ししたように、私にはお金よりも重要な価値がたくさんあります。私の真実性が確認されたので、今度は世の中に「お金よりももっと尊い価値がある」ということを必ずお見せしたいです。
そして現在NewJeansのメンバーたちの心はとても辛いと思いますが、いつも共にいる大人たちがいるということを教えてあげたいですし、応援する気持ちを伝えたいです。
256億ウォンという巨額を別の価値と変えるというこの決断が、K-POP産業全体の発展と和合へと昇華することを期待します。私とHYBEがいるべき場所は法廷ではなく創作のステージです。
私にはNewJeansをローンチした際に持っていた創作のビジョンがありました。それを最後まで成し遂げられず非常に残念ですが、だからこそ、ADORが法廷で述べた「NewJeansが戻ってくれば良くしてあげる」という約束が現実になるようお願い申し上げます。
NewJeansのメンバー5人が全員集まり、思う存分自由に夢を広げられる環境を作ってあげてください。アーティストが再び輝ける道を切り開いてあげること。それが大人たちがすべき唯一の役割です。
私にとって256億ウォンは、K-POPの健全な生態系とアーティストの平穏な日常を取り戻す価値より大きくはありません。
もう私たち皆が、お互いにより良いステージをファンの皆様にお見せできるようそれぞれの道で最善を尽くせればと思います。私たち大人が、法廷ではなく音楽とステージで実力を競い合う本来の姿に戻ることを提案します。この紛争が長引けば長引くほど、共に被害を受けるのはこの産業の主人公であるアーティストたちです。
HYBEのパン・シヒョク議長に伝えます。創作の場で会いましょう。2025年7月に株主に対する忠実義務が加わるなど、商法が改正されました。企業の責任が厳重になった時代に、エンターテインメント産業のリスクを解消し、和合を選択することこそが、株主とファンのための最も賢明な経営判断になるでしょう。
今、私は「元ADOR代表」というレッテルを外し、「OOAK Records代表」として新たな道を歩もうと思います。今後、私はK-POP産業を代表する新たなアーティストの育成と、新しい方向性のビジネスに私のすべてのエネルギーを注ぎます。
お忙しい時間にもかかわらず、私の記者会見にお越しいただいたメディア関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。今日以降、これ以上消耗的な記者会見がないことを願っています。
私はもう、記者会見場でも法廷でもない、創作のステージで皆様にお会いしたいと思います。そしてこれからは、私が最も得意とするクリエイティブに専念いたします。今日、私の真心が伝わり、K-POP産業全体が再び健康に息を吹き返せる転換点になることを切に願っています。
今日、KOSPIが6,000を突破しました。
お互いが共生できる私の提案について、HYBEが前向きな方向で熟考されることを望みます。ありがとうございました。
なぜ「256億ウォン」を諦めるのか?背景と今後の焦点
今回の電撃的な提案の背景には、現在も続くHYBEとの激しい法的対立があります。
今月12日、裁判所はミン氏側の主張を認め、HYBEに対して約256億ウォンの支払いを命じる判決を下しましたが、HYBE側はこれを不服として即座に控訴しています。
また、ADORとの専属契約解除を巡り、HYBEはNewJeansのダニエルとその家族に対して約431億ウォン(約48億円)に上る損害賠償請求訴訟を提起するなど、事態は悪化の一途をたどっていました。
ミン氏はこの日、質疑応答を行わず自らのメッセージを読み上げるのみで退席。莫大な金銭的権利を手放してでも事態の収拾を求めたこの和解提案に対し、HYBE側が今後どのような対応を見せるのか、大きな注目が集まっています。