銀杏BOYZ『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』(後編)
08.駆け抜けて性春
音域が高すぎる。でもメロディーが綺麗すぎる。YUKIの声が可愛すぎる。テンポが速すぎる。それに合わせてあびちゃんのベースが神がかりすぎている。要するに神曲すぎる……。そんな「すぎる」で溢れた名曲。
誰もがカラオケで原曲キーで歌おうとして声が枯れ、誰もがベースをコピーしようとして挫折します。銀杏BOYZはハチャメチャなサウンドではありますが、決して下手ではないのです。誰にもマネできません。
09.BABY BABY
銀杏BOYZの代表曲!もちろん異論は認めますが、銀杏BOYZを知らなくても「BABY BABY」は知ってるという人が多いのも事実。カラオケに行ってみんなの前で歌ってもドン引きされるような歌詞はないですし、誰にでも自信を持っておすすめできます。それにあのストレートでキャッチーなメロディーと歌詞はそう簡単に作れるものではありません。ミーハーと言われようが何と言われようが、筆者は「BABY BABY」が大好きです。
10.漂流教室
銀杏BOYZを聴いていると、くそみたいな情熱に振り回されていた青春時代の記憶だとか、何となく懐かしくて切ないノスタルジックな風景だとかが頭に浮かんできます。「漂流教室」もそんな感傷的な気分に浸ってしまう曲の一つ。
「君と僕は一生の友達なのさ」という歌詞を聴きながら、変わってしまった多くの人たちのことを思い出します。でもそれと同時に、「自分はどうなんだ!?」という複雑な気持ちも湧き起こってくるのです。
11.YOU&I VS.THE WORLD
これぞ青春パンク!というストレートな曲ですが、何度も何度も聴き返したくなるような味わい深いメロディーも魅力です。
青春パンクといえば、ブームになっていたのが2000年代前半。175R、ガガガSP、STANCE PUNKS、太陽族などのバンドが最前線で活躍していました。そんな中、GOING STEADY、そして銀杏BOYZは特別な輝きを誇っており、流行とは別の舞台で確固たる支持を集めていました。10年以上たった今になって、「日本の銀杏好きの集まり」と題された武道館公演が実現したのも、きっとその証拠です。
12.若者たち
「パンクロックを聴いた 世界が真っぷたつに軋んだ」から始まるこの曲からは、若者の衝動を掻き立てようとする銀杏BOYZなりのメッセージを感じます。改めて銀杏BOYZを聴いてみると、こういうメッセージソングのような曲は意外と少ないことに気づかされますね。
13.青春時代
日本を代表する青春ソング。アレンジも素晴らしく、まさに一つの青春時代を追体験しているような気持ちにさせてくれます。コーラスのハーモニーも綺麗で、オルガンの音色も哀愁を誘います。
14.東京
「東京」というタイトルのついた曲は星の数ほど存在しますが、その中でも一番最初に出会ったこの名曲が、心にいつまでも残っています。筆者は東京出身ではないですし、この曲を聴いたからといって東京の風景が浮かんでくることもありません。この曲で歌われる「東京の空」と地元の空を重ね合わせて、この曲を感じていたように思います。
「君はいつも僕の記憶の中で笑っているよ」という言葉の余韻を感じながら、『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』は終わりを迎えます。
銀杏BOYZの思い出がいっぱい
以上、『DOOR』『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』の全29曲。楽曲レビューとは程遠い内容でしたが、いかがだったでしょうか?
これを読んでいる銀杏BOYZファンの方々それぞれに、熱い思い出、寂しい思い出、辛い思い出、痛い(?)思い出などなど、様々な青春ストーリーがあったはず。
何かを思い出すきっかけとなれば幸いです。(コメントお待ちしています!)
出典:音楽ナタリー©Natasha,Inc.≪銀杏BOYZ、完売のカセットテープを再発≫より
現在、銀杏BOYZはボーカル峯田和伸さんの一人になってしまいましたが、これからもどんどん音楽を作り続け、がむしゃらに走り続けてくれることでしょう。
進化し続ける銀杏BOYZから、今後も目が離せません!